人・モノ・文化、様々なもののふきだまりの地

佐渡の宝、トキ
トキは学名「ニッポニア・ニッポン」と呼ばれ、古くから知られる鳥です。かつては日本のほぼ全土に生息しておりその肉や羽は重宝されましたが、乱獲や環境破壊などが進み明治から昭和にかけて数が激減しました。
1981年から人工飼育が開始され、日本産トキの全滅や中国産ヒナの寄贈などを経て1999年に人工繁殖に成功しました。2008年には10羽のトキが放鳥され、野生下での繁殖が確認されるなど、まだ個体数は少ないながらも徐々に野生化へ進んでいます。
そんな佐渡島では、豊かな自然とトキを守るために「トキとの共生ルール」というものがあります。
「やさしく静かに見守る。餌付けはしない。繁殖期間には巣に近づかないようにする。観察する時は地域に迷惑をかけない」というものです。
また「朱鷺と暮らす郷づくり」をキーワードに、農薬や化学肥料を減らし佐渡の自然に根付いたお米作りが2007年から始まりました。その後、先進国全体で初の世界農業遺産に選ばれました。
ルールを守り、歴史を感じながら、トキとふれあいましょう。

3つの文化が融合された佐渡島の伝統文化
貴族や文化人といった流刑者によって伝えられた貴族文化、鉱山の発展に伴って江戸から伝わった武家文化、そして商人や船乗りたちが持ち込んだ町人文化。その3つの文化が融合して出来上がっていった佐渡島の伝統文化は日本の縮図とも言われています。
佐渡島の伝統文化で有名なのが「能楽」です。能の大成者である世阿弥が佐渡に島流しされたことや、江戸時代に能楽師出身の人物がお代官になったことが影響し、島の住民に広く知れ渡りました。
島に残る能舞台の数は30以上あり、その数は日本の3分の1にもあたるほど。そんな佐渡島では今もなお様々な演能を見ることができます。

400年以上の歴史を持つ日本最大の金山
「黄金の国ジパング」と呼ばれた日本で最大の金山が佐渡金山です。その歴史は古く、1000年以上昔から「今昔物語集」や世阿弥の「金島書」などを通して佐渡の金は世に広まっていました。江戸時代に入ると幕府は金銀の採掘地として本格的に開発を進めます。その後平成元年の操業停止まで400年近くもの間、江戸幕府や日本の財政はもちろん世界の経済にまで影響を与えつづけました。
そして経済だけでなく、金山の繁栄と共に多くの人が佐渡島へ渡ってきたことで新田や森林の開発、文化の流入などたくさんの影響がもたらされました。

そんな佐渡金山の様子が再現されているのが「史跡 佐渡金山」で、全部で3つの見学ルートがあります。中でも「道遊坑 明治官営鉱山コース」では明治から閉業する平成元年までの操業当時の様子が残されています。
つい30年ほど前まで動いていたトロッコや、今なお採掘音が聞こえてきそうな雰囲気がただよう坑道や採掘跡に圧倒されること間違いありません。

佐渡島のグルメはおいしいがたくさん!
暖流と寒流が流れつく佐渡島はまさに海のグルメの宝庫で、暖流にのってくるカツオやアオリイカ、寒流にのってくるブリなど、豊富な海産物に恵まれています。
そして新潟と言えばお米ですが、佐渡島で有名なのが「朱鷺と暮らす郷」というブランド米です。
佐渡の豊かな自然とトキとの共生を守り続けるため、農薬や化学肥料を減らした自然にも人間にもやさしい基準で作られたお米です。程よい弾力と、噛めば噛むほど口の中においしさが広がると大評判です。
海の幸をのせた絶品まちがいなしの丼を、是非召し上がってください!

Photo Gallery佐渡島をめぐる風景です。
